先日、お客さんに塗替えのお見積もりをお出しした時に「最近は、下塗りがいらない塗料もでてるみたいね」と言われました。 よく話を聞いてみると、「うちの材料で塗替えしたら、下塗りは無しで出来るからその分お得になるよ」との事。 あなたならどう思いますか? 実際、下塗りしないで塗装した物件のほとんどは次の施工時間前までに、剥がれが全国で起きているという現実・・・。 どんなに上塗り塗料の性能が良くてもその塗料の十分な性能を発揮するためには、下塗りは欠かせない、大変重要な作業なのです。 では、なんのための下塗りを行うのか、その目的は次のとおりです。 ①上塗り塗料が下地材に吸い込まれないようにするため ②弱った下地を補強して、上塗り塗料の密着性を高め耐久性を向上させるため ③下地材の凹凸やひび割れ等を埋めて、美しい塗装面に仕上げるため ④下地材のシミや汚れが浮き出ないようにするため・・・ などなど、下塗りには上塗りでは補い切れない大切な役目があるのです。
先のお客さんは、実は下塗りの重要性をよく分かっていらっしゃる方で、ただ安いだけできちんとした仕事をしてもらえないのでは・・・と不信感を抱かれ、尋ねてこられたのでした。
お客さんとのお話の中でとても安心していただけたようで、「やっぱり下塗りから丁寧にやってもらえるのが一番ね」とのお言葉をいただきました。何より嬉しいことです。 乳液・保湿剤なしで、ファンデーションだけでお化粧が出来る時代がおそらく来ないことと同じく、塗装作業に下塗りは世界基準で見て欠かせません。
何より、基本に忠実であることが、もっとも大切であると私は信じています。